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幅広い貧血の原因・症状・検査・治療・食事・対処法をしっかりサポート!貧血を理解し、改善・克服していきましょう。

> 貧血の原因とは

貧血の原因が3分でわかる!
知っておくべき5つのポイント

 貧血の原因には食生活の鉄不足や慢性的な出血など数多くありますが、共通点はそれらの原因によって血液中の赤血球が不足し、体内の細胞が酸欠状態となる事です。貧血は原因が特定できれば治療しやすいのも特徴です。

目次


貧血の原因は1つではない


 貧血の原因には様々なものがありますが、共通していることは細胞への酸素供給の役割を担っている血液中の赤血球が減少し、体内の細胞が酸素欠乏状態になってしまうということです。

 では、どうして血液中の赤血球が減少するのでしょうか?この原因は大きく分けると、以下の3つに分類されます。

赤血球の生産量が低下している

赤血球が破壊されている

継続的に出血が起きている


 貧血といえば「鉄欠乏性貧血」のイメージが強いため、貧血の原因といえば「鉄分の不足」と思われがちです。しかし、上記のような貧血の原因によって鉄欠乏性貧血のほか、赤血球を正常につくることができなくなる再生不良性貧血、赤血球の寿命よりも早く赤血球が壊されてしまう溶血性貧血などの貧血があります。

 また、腎障害によって赤血球の産生に必須のホルモン分泌が行えないために起こる腎性貧血、ビタミンB12や葉酸の不足によって赤血球が十分に成熟しない巨赤芽球性貧血、胃の障害によってビタミンB12の吸収不良が招く悪性貧血などもあり、貧血の原因は多種多様にあると言えます。

 貧血には鉄欠乏性貧血のような治りやすい貧血もあれば、生命の危険がある難病の貧血もあるため、貧血の症状が現れたからといって安易に鉄不足が貧血の原因と決めつけるのは大変危険です。


貧血の原因@
 赤血球の生産量が低下している


 貧血の中で最も多い鉄欠乏性貧血は、この原因に当てはまります。赤血球は骨髄で造血幹細胞から造られていますが、赤血球の原料となる鉄分のほかタンパク質ビタミンB12葉酸などが不足しても赤血球を造る事ができず、赤血球が不足して貧血となります。

鉄分の摂取不足が原因の場合

 私たちの体内には3〜4gの鉄が存在し、様々な形で存在しています。赤血球の寿命は120日程度であり、寿命を迎えた赤血球は脾臓で破壊されます。その際、破壊される赤血球に存在する鉄分は新しい赤血球の原料として再利用されるため、赤血球の産生サイクルで鉄分が減っていくことはありません。

 しかし、私たちは日常生活の中で汗や尿、便、皮膚の剥離などによって毎日1mg程度の鉄を失っているため、毎日1mgの鉄を体内に取り込む必要があります。これは鉄を1mg摂取すればよい訳ではありません。鉄は消化管から吸収されにくいため、必要な鉄量の数倍〜数十倍を摂取する必要があります。

 そのためには毎日バランスのとれた食生活をする必要がありますが、ダイエットなどによって鉄分を含む食品の摂取量が落ち込むと、じわじわと鉄不足に陥り、最終的には鉄欠乏性貧血となってしまいます。


鉄分の必要量増加が原因の場合

 妊娠をした場合、妊娠する前に比べて鉄分やビタミンB12をより多く必要とするため、もともと摂取量が少なかった人はさらに鉄欠乏性貧血になりやすくなります。

 妊娠の定期検診では貧血の早期発見のために血液検査も行われますので、きちんと受診するようにしましょう。また、出産後も母乳から鉄分が出ていきますので、鉄分の摂取を心掛ける必要があります。


赤血球の産生不良が原因の場合

 血球の基となる造血幹細胞に障害があり、赤血球のみならず血球の産生ができない再生不良性貧血も、この貧血の原因に当てはまります。再生不良性貧血のほとんどが原因不明であり、かつては治療が困難な貧血でしたが、現在は治療法が確立されています。

 このほか、腎臓の病気によって腎機能が低下し、赤血球の産生を促すエリスロポエチンというホルモンが十分に分泌されないために赤血球量が減少する腎性貧血もあります。

貧血の原因A
 赤血球が破壊されている


 赤血球の寿命は約120日ですが、それよりも早く赤血球が壊され、産生が追い付かなくなることで貧血が起こります。赤血球が破壊され溶けてしまうことを溶血と呼び、やけどや蛇の毒、生まれつき赤血球に異常がある遺伝が原因の病気、溶血性貧血などの自己免疫性疾患などによって起こります。

 また、マラソンやサッカー、剣道など、足裏に反復衝撃が加わる運動が原因となって貧血になることもあります。このような運動を続けていると、衝撃を受けた足裏の血管内で赤血球が破壊されてしまいます。

 破壊の程度が軽い場合は血液中に放出されたヘモグロビンが腎臓から再吸収されるため、鉄不足になったり、血尿が出る事もありません。

 しかし、継続して赤血球の破壊が続いてしまうと、ヘモグロビンの再吸収が間に合わず尿中に放出されてしまうため、体内では次第に鉄不足が起こるようになります。このように運動が原因となっておこる貧血をスポーツ貧血と呼びます。

 赤血球が破壊されて起こる貧血の場合、一般的な貧血症状のほかに、溶け出た赤血球の成分によって黄疸が現れたり、尿の色が茶褐色になったりします。


貧血の原因B
 継続的に出血が起きている


 貧血の原因となる継続的な出血とは、一時的な大出血というより、慢性的な病気のためにじわじわと絶えず出血が続く事で、気がつかないうちに貧血が進行している場合があります。

 これには過多月経や子宮筋腫のほか、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんや大腸がんなど消化器の病気があげられます。

 女性の場合、生理は定期的な出血であるため貧血のリスクは高くなります。正常な生理の出血であれば、翌月の生理までに鉄分量が回復するようになっていますが、過多月経の場合は出血量が多いため、次第に貧血になっていきます。

 特に子宮筋腫の場合は、子宮内膜が多くなるために生理時の出血量も多くなりやすく注意が必要です。

 また、生理のない成人男性と閉経後の女性に起こる鉄欠乏性貧血では何らかの病気による出血が疑われるため、検査を受けた方がよいと考えられます。

貧血の検査はどうやってやるの?


貧血全体の7割を占める
鉄欠乏性貧血の原因


 鉄欠乏性貧血は赤血球の主原料となる鉄が不足することで起こる貧血です。貧血全体の7割を占めており最も頻度の高い貧血ですが、治りやすい貧血でもあります。鉄欠乏性貧血の原因としては以下の事が考えられます。

食生活での鉄不足

鉄がうまく吸収できない

慢性的な出血

鉄欠乏性貧血の原因@ 食生活での鉄不足


 貧血の原因として多くの人が思い浮かべるのが、食生活での鉄不足です。成人男性や閉経後の女性が1日に必要とする鉄の量は1mgですが、食事から鉄分を摂っても消化管からの鉄吸収率が10%なので、食事から10mgの鉄を摂らなければなりません。

 さらに成長期(14〜16歳)の男性や生理のある女性は12mg、妊婦さんは18mgくらいの鉄が必要です。

 一般的には1000kcalあたりの食事に6mgの鉄分が含まれており、2000kcalでは12mgの鉄となりますが、生理による出血や妊娠中はどうしても不足がちになってしまいます。30年以上前の日本人は1日に13mg以上の鉄分を摂取していましたが、現在は1日7mgと大きく減少しています。

鉄欠乏性貧血の原因A 鉄がうまく吸収できない


 貧血の原因としてあまり知られていないのが、鉄の吸収不良です。食物に含まれる鉄分は、胃で食物が消化され十二指腸から吸収されます。健康な人の鉄吸収率は10%ほどですが、消化器の病気などで鉄の吸収がうまく行われない事があります。

 また胃を切除すると胃酸の分泌が行われないため、鉄の溶けにくくなり吸収率が悪くなります。

ピロリ菌に感染すると貧血になる!?

 鉄欠乏性貧血は鉄不足ばかりに注目が集まりますが、体内に鉄を吸収するためにはタンパク質やビタミンが必要になります。ダイエットなどで偏った食事をしている場合、せっかく鉄分を摂取してもうまく吸収できないことがあります。

鉄欠乏性貧血の原因B 慢性的な出血


 慢性的な出血とは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、大腸がんなどの消化管の疾患や子宮筋腫などにより継続的に少しずつ出血していることをいいます。

 少しずつの出血であるため気づかずに血液を失っている事になります。この慢性的な出血は鉄欠乏性貧血の原因として最も多いもので、鉄の損失に直結しています。

消化管出血が原因の貧血とは

 生理も毎月の出血であるので、この慢性的な出血に当てはまります。生理では月当たり平均40mLの出血があり、鉄として20mgの損失になります。

 生理のない成人男性や閉経後の女性が鉄欠乏性貧血になった場合は、何らかの病気によって出血が起こっている可能性が高く、病院で検査を受けてみる事をお勧めします。

生理だけで貧血になるの?




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