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鉄剤の服用で注意することは?

薬剤師のイメージ <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※

目次

※当サイトは医療専門職が監修した貧血に関する情報を提供していますが、インターネットや本の情報だけで自己診断するのは大変危険です。疑われる症状がある場合は専門医を受診する必要があります。貧血の原因は様々あるため、まずは内科を受診することをお勧めします。

鉄剤の服用は医師の指示に従う

 鉄剤の服用は効果が出るまでに2〜3ヶ月かかります。また効果が現れ症状が改善しても、貯蔵鉄が貯まるまでにさらに2〜3ヶ月かかります。

 しかし、鉄剤の服用を始めてすぐに効果が現れないからといって服用をやめてしまったり、効果が現れて貧血の症状がなくなったからといって服用をやめてしまう人がいます。

 上記の通り、一時的に症状が改善しても、貯蔵鉄の分まで補充されたわけではありません。この状態で服用をやめてしまうと、すぐに貧血が再発してしまいます。貯蔵鉄が十分に蓄えられた事が確認されるまで医師の指示に従って服用してください。


鉄剤で胃が悪くなると思い込まない

 昔の鉄剤はまさに鉄粉を固めたようなもので、胃に負担がかかるものでした。しかし最近では飲みやすくて吸収効率の高い糖衣錠がほとんどで、胃に負担がかからないようにできています。

 しかし処方の段階で「胃が悪くなる事があります」といわれると、そのことが気になって精神的なものから胃痛を起こす人がいます。

 逆に何もいわずに服用を開始した患者さんからは「胃が悪くなった」というコメントはほとんどないようです。どうしても気になる方には胃薬が合わせて処方されますが、胃薬には鉄の吸収を妨げる作用があるので一緒に飲む事は避けるようにして下さい。まず鉄剤を飲んで、具合が悪いようなら胃薬を飲むようにしましょう。




鉄剤の副作用を心配しすぎない

 鉄剤を飲むと、その翌日から便の色が黒くなります。これを見て「出血しているのではないか!?」と心配される方がいますが、これは鉄が腸内で変化するために起こるもので心配はいりません。

 また、人によっては下痢気味になったり便秘気味になったりすることもあります。いずれの場合も深刻な症状ではありませんが、服用量を減らしたり鉄剤の種類を替えたりする事もありますので、医師に相談してみる事をお勧めします。

鉄剤に副作用はあるの?



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薬剤師のイメージ
<この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属 薬剤師 松田俊浩※
<著者の略歴>
 貧血全般はもちろんのこと、血液の病気や栄養学を専門として活動しており、貧血の正しい知識や食事療法の指導を行っている。