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> 貧血の日常生活の注意点

貧血の人が日常生活で注意すべき5つのポイント

 貧血になると体内が酸素欠乏し、全身にさまざまな症状が現れます。貧血である事を忘れて無理をすれば、症状の悪化や予期せぬ事故に遭遇することもあります。貧血の人が知っておくべき日常生活のポイントとは?

薬剤師のイメージ <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※

目次

※当サイトは医療専門職が監修した貧血に関する情報を提供していますが、インターネットや本の情報だけで自己診断するのは大変危険です。疑われる症状がある場合は専門医を受診する必要があります。貧血の原因は様々あるため、まずは内科を受診することをお勧めします。

日常生活の一般的な注意点とは

 貧血とは赤血球やヘモグロビンが減少した状態をいいます。赤血球は全身に酸素を運ぶ役割をしているため、これが減少することで全身が酸素欠乏状態になり、息切れや動悸、頭痛、めまい、倦怠感、食欲不振などの貧血症状が起こります。

 そのため、日常生活では無理をせず酸素欠乏状態に応じた生活をし、鉄剤や食事などで徐々に貧血の状態を改善していく事が大切です。日常生活では以下の事に注意するようにしましょう。

運動や仕事は無理のない程度に行う

 体を動かすほど、全身の細胞はより酸素を必要とします。貧血状態では酸素を十分に送り届ける事ができないので、全身の細胞が酸素不足に陥り、息切れや動悸などの症状が起こりやすくなります。

 普段から息切れや動悸、めまい、頭痛などの症状がある場合は、これらの症状が起こらない程度を目安に、体の状態に合わせた無理のない生活を送るようにしましょう。疲れないように早めに休憩を取り、睡眠や急速を十分にとることを心掛ける事が大切です。

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脳貧血を予防する

 貧血状態では脳への酸素供給が不足しやすく(脳貧血)、急に立ち上がった時や歩いている時に、目の前が真っ暗になりフラフラして倒れたり、一時的に意識を失う事もあります。

 倒れるとケガや打撲、出血をする恐れがあるため、普段から脳貧血が起こらないように注意する事が大切です。脳貧血を予防するには、以下の点に注意しましょう。

  • ベッドから急に起き上がったり、トイレで急に立ち上がったりしないようにしましょう。次の動作に移る前に一呼吸おくようにすることが大切です。例えばベッドから起き上がる際はまず横に座り、めまいなどがなければゆっくりと起き上がりましょう。
  • 手すりなどにつかまり、体を支えながらゆっくりと行動しましょう。


 脳貧血が起こってしまった場合は以下の点に注意しましょう。

  • 症状が軽い場合は、静かにしゃがみこんでじっとしていると、数分で症状が改善します。
  • 頭を低く足を高くして横になると、脳への血流が改善します。その際はベルトなどを緩めるようにしましょう。
  • しばらく意識が戻らない場合は、酸素吸入が必要な場合もあります。

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体を温かく保つようにする

 貧血状態になると全身の酸素不足や新陳代謝の低下により、手足や全身が冷たく感じられることがあります。少しでも多く全身の細胞に酸素を供給できるように、全身を温かく保ち血行を保つことが大切です。

 体を温かく保つには、靴下を履く、手足をマッサージする、手足をお湯につける、外出時は一枚多く羽織る、マフラーをするなどが効果的です。

体をいつも清潔にする

 貧血状態では体の抵抗力が低下しがちです。全身を清潔に保ち、感染を予防するように心掛ける事が大切です。主な注意点として以下のことがあります。

  • 帰宅後や食前などに手洗いをしましょう。
  • 帰宅後や歯磨きのあとにうがいを行い、口の中も清潔にしましょう。
  • 入浴やシャワーは酸素の消費量が多くなるので、ぬるめのお湯で疲れない程度にしましょう。

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関連論文
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薬剤師のイメージ
<この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属 薬剤師 松田俊浩※
<著者の略歴>
 貧血全般はもちろんのこと、血液の病気や栄養学を専門として活動しており、貧血の正しい知識や食事療法の指導を行っている。