貧血の多くは赤血球の産生に必要な栄養素の不足によるものです。そのため、貧血の改善には鉄分のみならず、ビタミンやたんぱく質などバランスよく摂取する必要があります。
貧血の予防や改善に必要な栄養素や食品など、食生活で注意すべき事はいろいろありますが、あまり難しく考える必要はありません。大切なのは平均的な日本食を心掛ける事なのです。
日本食には肉も魚も野菜も海藻も含まれており、私たちが必要とするタンパク質、脂質、糖質、ミネラル、ビタミンをバランスよく含んでいます。そのバランスのよさが世界的にも健康食として注目されています。
さらに世界のさまざまな食文化も取り入れ、時には中華、時には洋食と、いろいろな種類の食材を食べながら、欧米人のような過食にはならないという特徴があります。これが日本が世界一の長寿を誇っている理由かもしれません。
鉄分摂取がアップする栄養は○○
残念ながら最近は恵まれた日本食の習慣が一部で崩れ、インスタント食品やジャンクフード、脂肪摂取量の多い洋食ばかりなど、日本人の食生活で欧米化が目立ってきています。
それに伴って、総摂取エネルギー量に占める動物性脂肪の割合が高くなっており、その結果日本人の血中コレステロール値も上昇を続けているのです。
確かにレバーや肉類には鉄分やビタミンB群が豊富に含まれており、貧血改善には摂るべき食材です。しかし、偏った食事をして過剰摂取すると、コレステロール値の上昇などを招きます。自分の食生活を振り返って、主食、タンパク質、脂肪、野菜などのバランスがとれているか、今一度見直してみましょう。
1日に必要な鉄分はどれくらい?
体にいいからといってある食材や健康食品ばかりを極端に摂取するのも問題です。例えばビタミン類が豊富な玄米には鉄分の吸収を妨げるフィチン酸やリン酸塩が含まれています。
またコレステロールの吸収を妨げる食物繊維は、同時に鉄の吸収も妨げてしまいます。このように玄米や食物繊維が体にいいからといって、そればかりを摂っていては鉄欠乏になる可能性もあるのです。
玄米に含まれる栄養素も、食物繊維も私たちの体には必要なものです。大切なのは特定の食材を過剰摂取するのではなく、バランスの取れた普通の日本の家庭料理を毎日3回規則正しく摂ること、鉄の吸収を促進する胃酸の分泌を高めるためにゆっくりとよく噛んで味わうこと、腹八分を心掛けることが、血液の健康を保つためにとても大切なことなのです。
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