貧血と聞くと、立ちくらみとか元気が出ないというイメージを持つ方がほとんどです。貧血という病気はすごく身近である反面、この病気について正しく理解している人はあまりいません。まずは正しい知識を身につけましょう。
貧血とは血液中の赤血球が基準値よりも減少した状態をいいます。赤血球は全身の細胞に酸素を運ぶ働きをしているので、赤血球が不足する事で体内の細胞が酸欠状態になるため、特有の症状が現れます。
特に生理によって毎月血液を失う女性の10%が貧血であるともいわれ、大変身近な病気です。
しかしながら、症状には特徴的なものがあまりなく、「だるい」や「頭痛」など日常生活で起こりやすい症状が多いことから、症状が現れても軽く考えられがちです。この病気について知識が十分に普及しているともいえません。
貧血の中で最も多い鉄欠乏性貧血は、全身に酸素を運搬する赤血球を構成するヘモグロビンの減少が関わっています。ヘモグロビンは鉄を原料としており、鉄分が不足する事で体内が酸素不足となり、だるさや頭痛などの症状が現れます。
鉄は体内にも蓄えられているため、鉄分摂取が不足してしまってもすぐに症状は現れません。しかし、一度体内の鉄分が不足してしまうとすぐには補充できないのも特徴です。よって、日頃からバランスよく鉄分摂取を心掛ける必要があります。
鉄欠乏性貧血は毎日の食生活から鉄を摂取する事で防ぐ事ができます。ただし、その際は鉄の多い食材を食べるだけでは不十分で、鉄の吸収を助けるタンパク質やビタミンCも同時に摂る事が大切です。また赤血球をつくるのに欠かせないビタミンB12と葉酸も必要になります。
貧血といえば鉄欠乏性の印象が強く、鉄をしっかり摂れば大丈夫と考えている方が大変多くいますが、原因はそれだけではありません。
赤血球をつくる事が困難になる、赤血球の寿命が短くなる、病気により慢性的に出血していることで起こるなど、原因は1つではなく多岐に渡ります。
原因によっては専門医の治療を受けなければ命にかかわるものもあるため、よくある病気だからと安易に考えることは大変危険です。貧血には以下のような種類があります。
鉄欠乏性貧血
再生不良性貧血
溶血性貧血
悪性貧血
ビタミンB12と葉酸の欠乏
赤芽球癆(せきがきゅうろう)
骨髄異形成症候群(MDS)
白血病
大したことではないと軽く考えず、原因を正しく突き止め、正しい知識を身につけることで、予防・改善していくことが大切です。
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