女性は貧血になりやすい傾向にありますが、特に思春期は成長期にあたるために鉄の必要量が大幅に増加し、より貧血になりやすくなります。そのため、思春期の時期は自分が鉄不足に陥りやすいということを自覚して生活することが大切です。
9〜18歳ごろまでの思春期は体の成長期にあたるため、急激に身長が伸び、筋肉や血液量も増え、その分だけ多くの鉄が必要になります。成人男性が1日に必要とする鉄量は1mgですが、この時期の必要量はその2〜3倍にもなります。
このように体内の鉄需要が増えている時期にもかかわらず、食事を抜いたり、無理なダイエットを行うと、鉄の需要と供給のバランスがあっという間に崩れてしまい、体内の鉄が不足してしまいます。
しかも、女性の場合は生理も始まる時期なので、鉄不足が余計に拍車がかかることは避けられません。
鉄欠乏性貧血の発生頻度をみた場合、成人女性全体は約10%ですが、中学生女子に限定すると約20%もの人が貧血になっているとされています。
思春期だから仕方ないと考えていては、予防や改善するどころか、悪化させてしまいます。思春期の貧血を予防・改善するためのポイントは、鉄分、タンパク質、ビタミン類を十分に含んだ栄養バランスのよい食事を1日3食きちんと摂る事と、睡眠不足にならないような規則正しい生活をすることです。
鉄欠乏性貧血は貧血全体の7割を占めていますが、必要な鉄分を摂取すればすぐに治せるのも特徴です。「思春期だから仕方のないこと」と勝手に諦めたりせず、思春期は鉄分が大人以上に必要だと認識し、鉄分、タンパク質、ビタミンの豊富な食生活を心掛けましょう。
小児と思春期の鉄欠乏性貧血 日本内科学会 中学・高校生の貧血傾向の実態とその背景要因 日本体育学会 |
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