溶血が進行すると赤血球量が減少するため、息切れや動悸、めまい、倦怠感、頭痛などの症状に加え、黄疸が現れるようになります。
黄疸とはビリルビンという黄色い色素が血液中に増えることで、手や足の皮膚、白目などが黄色くなる症状です。赤血球の中には赤い色素であるヘモグロビンが存在していますが、大量に赤血球が破壊されるとヘモグロビンが血液中に放出され、それが処理される過程でビリルビンが生成されます。
このビリルビンは尿中にも排泄されるため、血中ビリルビン濃度が高くなると尿の色も濃い黄色に変化します。また、ビリルビンは胆汁の原料となるため、血中濃度が高くなることで胆のうにビリルビン結石という胆石ができやすくなります。
また脾臓で処理する赤血球の量が増えることから、脾臓が腫れる脾腫が多く発生するのも特徴です。脾腫の確認は医師の触診や超音波検査、CT検査などの画像診断で行います。
溶血が激しい時は、発熱や腰痛、ヘモグロビン尿(尿が赤色になる)といった症状が現れる事もあり、ショック状態を引き起こすこともあります。
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これって貧血の症状? 頭痛・吐き気・眠気・めまい・動悸… |
溶血性貧血の検査の基本は血液検査です。血液中の赤血球量などを調べるのはもちろんのこと、骨髄でできたばかりの網赤血球の検査、血清中のビリルビン濃度、乳酸脱水素酵素(LDH)の測定、赤血球の寿命などを調べて判断します。
網赤血球はできたばかりの赤血球であるため、その割合が高いという事は成熟した赤血球の破壊が進んでいることを意味します。貧血症状が認められ、ビリルビン濃度、乳酸脱水素酵素(LDH)の上昇が認められれば溶血性貧血の可能性が高くなります。
先天性溶血性貧血は赤血球自体に問題があるため、顕微鏡によって赤血球の形態を観察するほか、生化学的に遺伝子やたんぱく質の異常を有無を調べます。
自己免疫性溶血性貧血の場合、自己抗体が赤血球に対して体温近くの37℃で結合しやすいもの(温式)と、体温以下(特に4℃)で結合しやすいもの(冷式)があります。赤血球に対する自己抗体の有無は、直接クームス試験で調べることができ、これが陽性であれば自己免疫性溶血性貧血と診断されます。
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溶血性貧血の原因と治療 |
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