鉄剤の服用は効果が出るまでに2〜3ヶ月かかります。また効果が現れ症状が改善しても、貯蔵鉄が貯まるまでにさらに2〜3ヶ月かかります。
しかし、鉄剤の服用を始めてすぐに効果が現れないからといって服用をやめてしまったり、効果が現れて貧血の症状がなくなったからといって服用をやめてしまう人がいます。
上記の通り、一時的に症状が改善しても、貯蔵鉄の分まで補充されたわけではありません。この状態で服用をやめてしまうと、すぐに貧血が再発してしまいます。貯蔵鉄が十分に蓄えられた事が確認されるまで医師の指示に従って服用してください。
昔の鉄剤はまさに鉄粉を固めたようなもので、胃に負担がかかるものでした。しかし最近では飲みやすくて吸収効率の高い糖衣錠がほとんどで、胃に負担がかからないようにできています。
しかし処方の段階で「胃が悪くなる事があります」といわれると、そのことが気になって精神的なものから胃痛を起こす人がいます。
逆に何もいわずに服用を開始した患者さんからは「胃が悪くなった」というコメントはほとんどないようです。どうしても気になる方には胃薬が合わせて処方されますが、胃薬には鉄の吸収を妨げる作用があるので一緒に飲む事は避けるようにして下さい。まず鉄剤を飲んで、具合が悪いようなら胃薬を飲むようにしましょう。
鉄剤を飲むと、その翌日から便の色が黒くなります。これを見て「出血しているのではないか!?」と心配される方がいますが、これは鉄が腸内で変化するために起こるもので心配はいりません。
また、人によっては下痢気味になったり便秘気味になったりすることもあります。いずれの場合も深刻な症状ではありませんが、服用量を減らしたり鉄剤の種類を替えたりする事もありますので、医師に相談してみる事をお勧めします。
静注用鉄剤で治療した鉄欠乏性貧血の貯蔵鉄減少率とその臨床的意義 鉄欠乏性貧血と鉄剤の与えかた 鉄剤不応性の鉄欠乏性貧血 |
アクセスランキング | ||
---|---|---|
1 | 鉄分の多い食品はこれだ!食生活で鉄分を効果的に摂取しよう | |
2 | 症状は全身に現れる!私の症状は当てはまる? | |
3 | 鉄分の吸収量が数倍の差!ヘム鉄と非ヘム鉄とは? | |
4 | 原因はこんなにある!私はどれに当てはまる? | |
5 | なりやすい人はどんな人?私はなりやすい? | |
6 | 脳貧血って一体なに?原因・症状と正しい対処法 | |
7 | 検査は何科で行う?検査時間は? | |
8 | 貧血の検査と数値の見方 |
あわせて読みたい貧血トピックス | |
---|---|
生理による貧血はどうにもならないの?予防するには? | |
男性は重病の可能性大!消化管の疾患を疑うべし | |
妊娠するとなりやすいの?赤ちゃんは大丈夫? | |
一日に必要な鉄分量はどのくらい? | |
立ちくらみと関係あるの? | |
低血圧と関係あるの? | |
鉄鍋を使って効率的に鉄分を摂取しよう | |
ヘモグロビンの基準値はどれくらい? |