肩こりとは、首から肩にかけての筋肉のこわばりや筋肉疲労によって起こる不快感の総称です。この不快感は人によって重くだるい感じであったり、こわばり感であったり、痛みであったりとさまざまで、時には頭痛やめまいを伴う事もあります。
肩こりの原因はさまざまで、運動不足や同じ姿勢を続けるストレス、使い過ぎによる筋肉疲労、肩の筋肉が発達していない「なで肩」体格、猫背など姿勢の悪さ、といったさまざまな要因が複合的に絡み合って起こります。ほとんどの肩こりに共通していえるのは筋肉疲労による疲労物質の蓄積です。
もともと筋肉というのは弾力性に富んだ組織ですが、なんらかの原因で筋肉への血液循環が滞り、酸素の供給が十分に行われないと、筋肉内に疲労物質がたまってしまい、筋肉が本来持っている弾力性が損なわれてしまいます。これが筋肉のこわばりです。
しかも細い筋線維の集合体である筋肉は、その筋線維の一本がこわばってくると、他の筋線維を圧迫して血液の循環を悪くします。その結果、一本の筋線維のこわばりが連鎖的に広がり、頑固な肩こりが発生してしまうのです。
貧血という病気は血液中の赤血球やヘモグロビンの量が何らかの原因で減少し、そのため体内の各組織が酸素欠乏を起こす状態をいいます。そのため、肩の筋肉が酸素欠乏になると、筋肉内に疲労物質が蓄積し筋肉がこわばるため、肩こりを招きます。
貧血の患者さんに肩こりを訴える人は多く、鉄剤投与などによって改善されるとともに、肩こりの症状も同時に消えていくというケースがほとんどです。
肩こりの原因にはさまざまなものがあるため、「貧血を治せば肩こりも治る」と断言する事はできませんが、貧血が肩こりを招きやすいのは事実です。
貧血症状がある場合は専門医の診察を受け、貧血を治療するところから始めてみてください。それでも肩こりが軽減しない場合は、整形外科医または内科医(内臓の病気でも肩こりが起こります)に相談する事をお勧めします。
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