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妊娠・出産・授乳期にはどれくらい鉄が必要?

<この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※

目次

※当サイトは医療専門職が監修した貧血に関する情報を提供していますが、インターネットや本の情報だけで自己診断するのは大変危険です。疑われる症状がある場合は専門医を受診する必要があります。貧血の原因は様々あるため、まずは内科を受診することをお勧めします。

妊娠から出産まで1日8mgの鉄を余分に摂る


 妊娠すると生理による血液損失はなくなりますが、母体の血液量増加や胎盤への血液供給、胎児赤血球産生のための鉄需要が増えます。このため、妊娠中に余分に必要な鉄量は、母体の造血に450mg、胎児に250mg、胎盤に50〜90mgとなります。

 お産の出血で200〜300mgの鉄を失い、妊娠から分娩までに合計約1100mgが必要になりますが、妊娠中に多く造られた赤血球は出産後に貯蔵鉄として回収されます。つまり、妊娠から分娩までで本当に必要となる鉄増加量は約650mgとなります。

 これを妊娠期間の日数で割り、消化管での鉄吸収率を考慮すると、1日あたり8mgが妊娠時に余分に必要な鉄量となります。

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授乳中にはどれだけ余分に鉄が必要?


 母乳へ分泌される鉄量は0.25〜0.34mg/日であり、生理の停止する授乳中の鉄必要量は、生理のある女性とあまり変わりません。しかし、妊娠・分娩に伴う鉄損失を分娩後6ヶ月で回復させる事を目的として、この期間は1日あたり8mg多く鉄を摂取したほうがよいと「第六次改定 日本人の栄養所要量」では決められています。

 また多胎妊娠の場合は、胎児数の増加、胎盤量の増加によってさらに鉄需要量は増加します。さらには妊娠中の出血(切迫流・早産、前置胎盤など)および分娩時の異常出血(帝王切開、弛緩性出血、頚管裂傷など)による鉄の喪失もあります。

 そのため、分娩時に大量出血が予想される場合は、貧血の改善あるいは自己血貯蔵(自分の血液をあらかじめ採取し、貯えておく事)といった準備が必要となる場合があります。

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 妊産婦の食生活に関する検討 日本看護科学会

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<この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属 薬剤師 松田俊浩※
<著者の略歴>
 貧血全般はもちろんのこと、血液の病気や栄養学を専門として活動しており、貧血の正しい知識や食事療法の指導を行っている。